3/05/2011

17歳のための世界と日本の見方



『日本力』で松岡正剛さんに興味を持ったのでこれを読んでみることにしました
タイトルは17歳のための、と書いてありますが内容は難しい?詳しい?ことを
言っています。自分が高校生のときにこの講義を受けたら、頭が爆発
するんじゃないか、って思うほど詳細に書かれている気がします。
本来の日本の良さ、宗教の始まり、日本文化について、など
日本人として知っておくべきことがたくさん詰まっています。
テレビを見ていても、日本人以上に日本の事を知っている
外国人を見ると、なんだがさみしくなりますよな(こないだも書いた?w)
中でも気になった数か所を紹介

P 12
情報の本質は「区別力」にあるのです。
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本質って言葉も自身を持って説明できませんが、本質を見極めるって
言葉がありますよね。情報の本質は?って誰かに聞かれたら
区別力です、って説明できるんだろうかwって焦ってしまう。
情報リテラシーがかなり必要になってくるって考えは以前から
感じていましたが、本質とは?ってゆう議論になってくると
太刀打ちできないのが少々悔しいものがある。
・ネット上にあるゴミと宝石を区別する
・例えばピーマンを野菜カテゴリにするか、緑色のカテゴリにするか
・小説なのか自伝なのか
はたして自分の挙げたこの問いが正剛さんの言っている区別力に
関係してくるのかどうか分かりませんが、ひとつの見方で終わるのではなく
違った見方も必要?大切?だよ、とアドバイスしてくれているはずです。

P 79
ある傾向が一定の量まで達することを臨界値に達するといいます。
臨界値に達すると、それまでにないものが生まれてくるんです。それを創発
といいます。紀元前6世紀から5世紀にかけて、創発がおこって、
ゾロアスターや老子や孔子やブッダやピタゴラスが出てきたんでしょう。
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↑はどこかで聞いたことのある人ばかりです。
それが同じ時期に生きていたってゆうのは、この本を読んで初めて
知ったのでびっくりしました。この臨界値とか創発の説明ってなんだか
パラダイム変換の意味と似ているなと読んでて感じました。
自分の知識の中でのパラダイム変換とは、人々の思考や文化が
以前と異なって新しい思考や文化にシフトすること、だったはずです。
昔からこの一定の量を越えるたびに時代の流れというものが
変わってきたんですね。創発がおきてるぞ!ってゆうのは
肌で感じられるんでしょうかね。なかなか興味があります。

P 256
公家文化から武家文化への転換
「あはれ」から「あっぱれ」を例にして
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貴族から武士の時代になる歴史の授業みたいな話がでてきます。
武士は農民出身が多くを占めているので、貴族の
もののあはれ、を理解することが困難でした。そこで
あはれというのを、あっぱれとすることで、自分達の
価値感を獲得したってわけです。
「あっぱれであった(お見事であった)」なんて言い方は今日でもしますが
このあはれからあっぱれの流れにこんなエピソードがあるなんて
知らなかったので、前より少しだけ歴史に抵抗がなくなってきましたw
ただ覚えるだけの勉強は楽しくなく、定着も遅いですが、こうやって
裏話的な情報を加えて歴史を学んでいけば楽しくわくわくしながら
できていいと思った。

P 273
枯山水
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この前京都に行ったとき、竜安寺を訪れたとき、あれを枯山水で表現されている
ってことを知りませんでした。ただ石の庭だと思っていたw
水を使わずに、水や山を表現する。正剛さん風に言えば、引き算で
表しているそうです。本来あるものをあえてなくしてそのあるものを
人々に意識させる。これが引き算。
旅行の雑誌で、どの角度からみても全ての石を見ることはできない。
「なるほど、見て見よう」で止まってしまった。あのとき、実際の水の
流れを想像しながら庭を眺めてみたかった、って思いが今ありますw
引き算の醍醐味と、旅行に行く際の事前学習の必要性を
認識した部分でしたw

P 312
パスカルの名言は「人間は考える葦である」の前に
「人間は弱い一本の葦にすぎない」とあるところが、もっと重要です。
この弱さのことをフラジャイルといいます。折れやすい、壊れやすい
ということです。でも、折れやすく、壊れやすいからこそ考えるのだというのです。
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難しいw哲学ちっくな部分ですが、このパスカルの名言は聞いたことがあるので
気になりました。それも前部分に、人間は弱い一本の葦にすぎない、があるなんて
知らなかった。この言葉をどう見ればいいんでしょうかね。
一本の折れやすく、壊れやすい葦にすぎないのだから、周りの葦と
束になって折れにくく、壊れにくくすることに気づいてくれ、ってこと?
折れにくく、壊れにくいってことは考えるのが困難だよ、ってこと?
この考察は次回だなww

まとめとしてこの本も『日本力』同様に、何回も読みなおすことで
もっともっと日本について気づいていけると思いました。
とてもじゃないが今の自分の頭では1度読んだだけでは
正剛さんが読者に伝えたいと思っている事の2割くらいしか
吸収できていない気がするよ。


本の中で正剛さんがおすすめしている本が何冊かあります。
もちろん読んでみたいと思うので、ここにメモメモ。
『かくれた次元』
『遊行の博物学』
『花伝書』